2026年10月1日から、ふるさと納税の自治体指定に関するルールが一部変わりました。ただし、2026年分の寄附が9月末で終わったわけではありません。年内に寄附する場合は、まず自分の控除上限額と現在の返礼品条件を確かめ、原則12月31日までに決済・入金を完了する必要があります。制度改正の話と、寄附する人の手続きを分けて解説します。
「10月から改悪された?」、「もうお得じゃない?」、「返礼品はどうなる?」と気になっている方も多いと思います。
結論からいうと、ふるさと納税そのものがなくなったわけではありません。
控除上限額の範囲内で寄附し、必要な手続きを行えば、寄附額のうち2,000円を超える部分について所得税や翌年度の住民税から控除を受けられる基本的な仕組みは続いています。
一方、2026年10月からは、自治体がふるさと納税の募集に使える経費や、返礼品を地場産品として扱うためのルールが見直されています。
2026年10月改正のポイント
- ふるさと納税そのものは継続
- 税金の控除の基本的な仕組みも継続
- 自治体が地域に活用できる寄附金の割合は52.5%以上へ
- 募集経費は実質47.5%以下へ
- 地場産品として認めるためのルールを厳格化
- 2025年10月からポータルサイト独自のポイント付与はすでに原則禁止
- 2027年の寄附分からは、住民税の特例控除に193万円の定額上限が加わります
- そもそもふるさと納税とは?
- ふるさと納税は「節税」なの?
- 返礼品の「3割」は店頭価格ではない
- 2026年10月からふるさと納税は何が変わった?
- 変更1|2026年10月から募集経費は実質47.5%以下へ
- 変更2|返礼品の「地場産品基準」も厳格化
- ふるさと納税は「改悪」されたの?
- 2025年10月からポータルサイト独自ポイントは原則禁止
- 最も注意したいのは控除上限額
- 2026年分のふるさと納税はいつまで?
- ワンストップ特例とは?
- 2026年10月以降にふるさと納税するなら3つ確認
- 2027年の寄附分から高所得者への上限も見直し
- 2026年のふるさと納税サイトはどう選ぶ?
- ふるさと納税のよくある質問
- まとめ|2026年10月以降は「急ぐ」より条件確認が重要
- 参考資料
そもそもふるさと納税とは?
ふるさと納税は、自分で選んだ自治体へ寄附できる制度です。
国税庁によると、一定の限度額まで、寄附額のうち2,000円を超える部分について所得税と翌年度の住民税から控除を受けられます。
たとえば、控除上限額の範囲内で5万円を寄附した場合、必要な手続きを行えば、合計で4万8,000円相当が所得税・住民税から控除されます。
ただし、ワンストップ特例を利用した場合は所得税から直接控除・還付されるのではなく、所得税分も含めて翌年度の住民税から控除されます。
また、誰でも好きな金額まで自己負担2,000円で済むわけではありません。
控除上限額は収入や家族構成、各種所得控除などによって異なります。
ふるさと納税は「節税」なの?
ふるさと納税はよく「節税」と紹介されますが、厳密には税金そのものが大幅に減る制度ではありません。
自治体へ先に寄附し、その寄附額に応じて所得税や住民税の控除を受ける仕組みです。
そのうえで返礼品を受け取れる場合があるため、家計上のメリットを感じやすくなっています。
したがって、
ふるさと納税をすれば税金が無料になる
という制度ではありません。
返礼品の「3割」は店頭価格ではない
ふるさと納税では「寄附額の3割相当の返礼品」という表現をよく見かけます。
ただし、制度上の基準は自治体が返礼品を調達する際の価格について寄附額の3割以下とするものです。
一般のお店で販売されている価格が、必ず寄附額の30%になるという意味ではありません。
2026年10月からふるさと納税は何が変わった?
今回の制度変更で特に押さえておきたいのは、次の2点です。
- 自治体が寄附募集に使える経費の割合が段階的に縮小する
- 返礼品の地場産品基準がより厳格になる
「ふるさと納税が利用できなくなった」、「2,000円を超える部分の控除制度がなくなった」という改正ではありません。
変更1|2026年10月から募集経費は実質47.5%以下へ
自治体は、ふるさと納税を集めるために返礼品の調達や配送、ポータルサイト、決済、事務などの費用を負担しています。
2026年10月1日からは、寄附金のうち自治体が地域の事業などに使える「寄附金活用可能額」を52.5%以上確保する基準が適用されています。
つまり、募集に使える経費は実質的に47.5%以下となります。
| 指定対象期間 | 寄附金活用可能額 | 募集経費の目安 |
|---|---|---|
| 2026年10月~2027年9月 | 52.5%以上 | 47.5%以下 |
| 2027年10月~2028年9月 | 55%以上 | 45%以下 |
| 2028年10月~2029年9月 | 57.5%以上 | 42.5%以下 |
| 2029年10月以降 | 本則60%以上 | 40%以下 |
制度の狙いは、寄附金のうち実際に自治体が地域のために使える割合を増やすことです。
制度変更への対応として、自治体や返礼品によっては、
- 寄附金額
- 内容量
- 受付期間
- 掲載の継続・終了
などが見直される場合があります。
ただし、2026年10月になったからといって、すべての返礼品が一斉に値上げ・減量されたわけではありません。
気になる返礼品については、現在の寄附額や内容量を個別に確認するのが確実です。
変更2|返礼品の「地場産品基準」も厳格化
ふるさと納税の返礼品は、その自治体と一定の関係がある「地場産品」である必要があります。
特に区域内で製造・加工する返礼品については、返礼品の価値の過半がその地域内の工程によって生じていることを証明する仕組みが強化されています。
自治体によっては、対象事業者から証明書を取得し、その内容を公式サイトなどで公表しています。
つまり、単に「その地域で少し加工している」だけではなく、地域内の工程が返礼品の価値にどの程度貢献しているかを、より明確に確認する方向へ制度が変わっています。
ふるさと納税は「改悪」されたの?
SNSなどでは、「ふるさと納税が改悪された」という表現を見かけることがあります。
そう言われる主な理由は、
- 2025年10月からポータルサイト独自ポイントが原則禁止された
- 2026年10月から自治体の募集経費がさらに制限された
- 返礼品の地場産品基準が厳格になった
ためです。
以前より「お得感が下がった」と感じる人がいるのは理解できます。
ただし、自治体へ寄附し、一定の上限まで税金の控除を受けられる制度そのものは続いています。
「2026年10月からふるさと納税をすると必ず損をする」という意味ではありません。
2025年10月からポータルサイト独自ポイントは原則禁止
2026年の改正とは別に、大きな変更だったのが2025年10月1日からのポイント付与ルールです。
ふるさと納税の寄附額に応じて、ポータルサイト側が独自にポイントを付与することができなくなりました。
たとえば楽天ふるさと納税では、2025年10月1日以降、寄附について次のポイント付与が原則対象外となっています。
- 楽天市場の通常ポイント
- お買い物マラソン・スーパーSALEなどの買いまわり
- 全ショップ対象キャンペーン
- 対象となるSPUのポイントアップ
一方で、クレジットカード決済そのものに対してカード会社から付与されるポイントまで一律に禁止されたわけではありません。
決済方法ごとのポイント条件については、使用するカード会社の最新情報を確認してください。
最も注意したいのは控除上限額
ふるさと納税を利用するときに、最も注意したいのが控除上限額です。
上限額は、
- 給与収入・所得
- 家族構成
- 配偶者控除・扶養控除
- 社会保険料
- 住宅ローン控除
- 医療費控除
- iDeCoなどの所得控除
- 副業所得
などによって変わります。
そのため、同じ年収でも控除上限額が同じとは限りません。
特に2026年中に転職・退職、育休・産休、副業収入の変化、住宅購入などがあった場合は、前年と同じ寄附額をそのまま目安にしない方が安全です。
シミュレーターは目安として利用する
ふるさと納税サイトでは、年収や家族構成から控除上限額を試算できるシミュレーターが用意されています。
簡易シミュレーターはあくまで目安です。
住宅ローン控除や医療費控除、副業所得などがある場合は、源泉徴収票などを使う詳細シミュレーターを利用するか、必要に応じて自治体・税理士などへ確認してください。
2026年分のふるさと納税はいつまで?
2026年分のふるさと納税として税金の控除を受けるには、原則として2026年12月31日までに寄附の決済・入金を完了する必要があります。
2026年9月30日は、ふるさと納税そのものの年内期限ではありません。
9月末は、2026年10月から新しい指定基準が始まる前の節目でした。
現在はすでに10月ですが、「9月までに寄附しなかったから、今年のふるさと納税は利用できない」ということはありません。
9月末を過ぎてから寄附する人の確認順序
- 2026年の見込み所得と各種控除から、寄附上限額の目安を再計算する
- 返礼品の現在の寄附額・内容量・受付状況を確認する。9月以前の比較画像やポイント条件をそのまま信じない
- 寄附先自治体数と確定申告の予定を踏まえ、ワンストップ特例を使えるか判断する
- 12月31日までの決済・入金完了条件と、寄附後の申請期限を確認する
例えば、医療費控除などのために確定申告を行う場合、ワンストップ特例の申請を済ませていても、その年の寄附分を確定申告に含める必要があります。
ただし、年末は申込みや決済が集中します。寄附の申込みだけでは年内の寄附として扱われない場合もあるため、各自治体やふるさと納税サイトの決済期限を確認し、余裕を持って手続きしましょう。
ワンストップ特例とは?
ふるさと納税で税金の控除を受けるには、原則として確定申告が必要です。
ただし、確定申告が不要な給与所得者などで、1年間のふるさと納税先が5団体以内の場合は、ワンストップ特例制度を利用できます。
同じ自治体へ複数回寄附した場合でも、寄附先自治体数としては1団体です。
注意したいのが、ワンストップ特例を申請した後に確定申告をするケースです。
確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。
医療費控除や住宅ローン控除の初年度、副業などの理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例を申請した寄附分も含め、すべてのふるさと納税を確定申告に記載する必要があります。
2026年10月以降にふるさと納税するなら3つ確認
1.控除上限額を確認する
まず2026年の収入や家族構成、各種控除をもとに、自分の控除上限額の目安を確認します。
返礼品だけを見て、上限を大きく超えて寄附しないようにしましょう。
2.返礼品の現在の条件を確認する
以前申し込んだことのある返礼品でも、現在は条件が変わっている可能性があります。
申込み前に、
- 寄附金額
- 内容量
- 発送時期
- 受付期間
- 定期便の回数
などを確認しましょう。
3.寄附後の控除手続きを忘れない
返礼品が届いただけでは、税金の控除手続きは完了していません。
ワンストップ特例または確定申告を行い、翌年の住民税決定通知書などで控除が反映されているか確認すると安心です。
2027年の寄附分から高所得者への上限も見直し
2026年10月の改正とは別に、高所得者を中心に影響する見直しも決まっています。
財務省の令和8年度税制改正大綱では、ふるさと納税の住民税特例控除について、これまでの「個人住民税所得割額の20%」という上限に加えて、定額の上限を設けることが示されています。
上限は、
- 道府県民税:77万2,000円
- 市町村民税:115万8,000円
で、合計すると193万円です。
指定都市に住んでいる場合は内訳が異なりますが、合計額は同じです。
この改正は令和10年度分以後の個人住民税に適用されるため、実質的には2027年中のふるさと納税から影響します。
一般的な所得水準の会社員に大きく影響する改正ではありませんが、高所得者は2027年以降、従来のシミュレーション結果をそのまま使わず、最新の上限額を確認する必要があります。
2026年のふるさと納税サイトはどう選ぶ?
2025年10月以降は、ポータルサイト独自の寄附額連動ポイントが原則禁止されました。
そのため以前のように「ポイント還元率だけ」で選ぶよりも、
- 欲しい返礼品が掲載されているか
- サイトが使いやすいか
- 控除上限額を確認しやすいか
- オンラインワンストップ申請に対応しているか
- 自分に合った決済方法があるか
- 配送状況を確認しやすいか
などで比較する方が実用的です。
ふるさとチョイス
控除上限額の目安は、総務省の案内や各サイトのシミュレーターで確認できます。提供状況は変わるため、利用時に公式サイトで確認してください
ふるさとチョイスは、全国の自治体や返礼品を幅広く探せるふるさと納税サイトです。
制度改正の情報や控除上限額のシミュレーションも確認できるため、制度を確認しながら返礼品を探したい人にも使いやすいサイトです。
2026年10月の制度変更後は、以前お気に入りに登録していた返礼品でも寄附額・内容量・受付状況が変わっていないか確認してから申し込みましょう。
楽天ふるさと納税
普段から楽天市場を使っている人は、同じアカウントと買い物の流れで寄附でき、迷いにくいのが利点です。ただし前述のとおり、寄附に対する楽天市場側のポイント付与は原則対象外です。ポイント目当てではなく、使い慣れた画面かどうかで選んでください。
さとふる
さとふるは、返礼品検索から寄附、控除手続きまで進めやすいふるさと納税サイトです。
控除上限額の確認やワンストップ特例の手続きを含め、できるだけ分かりやすく進めたい人は比較候補になります。
au PAY ふるさと納税
au PAY ふるさと納税では、保有しているPontaポイントを寄附に利用できます。
ただし、2025年10月以降は、ポータルサイト側が寄附額に応じて独自ポイントを付与する従来型の仕組みは原則禁止されています。
現在は「寄附して大量のポイントを獲得する」というより、保有ポイントを利用できることや決済の使いやすさを含めて比較するとよいでしょう。
ふるさと納税のよくある質問
Q. 2026年10月からふるさと納税はできなくなった?
いいえ。2026年10月以降も利用できます。
変更されたのは主に自治体の募集経費や返礼品の地場産品基準です。
Q. 2026年10月からすべての返礼品が値上げされた?
いいえ。
制度変更への対応は自治体や返礼品によって異なります。現在の寄附額・内容量を個別に確認してください。
Q. 2026年9月までに寄附しなかったら損?
必ずしもそうではありません。
9月末は制度変更前の節目でしたが、2026年分のふるさと納税そのものが9月末で終了したわけではありません。
Q. 楽天ふるさと納税では楽天ポイントはもらえない?
2025年10月1日以降、楽天ふるさと納税への寄附は原則として楽天市場側のポイント付与対象外です。
通常ポイント、買いまわりや対象SPUなどは対象外ですが、カード決済に伴ってカード会社から付与されるポイントは別扱いです。
Q. 自己負担は必ず2,000円?
いいえ。
控除上限額の範囲内で寄附し、必要な控除手続きを行った場合に、原則として自己負担が年間合計2,000円となります。
控除上限額を超えた部分は自己負担が増えます。
Q. ワンストップ特例を出した後に確定申告したら?
確定申告をするとワンストップ特例は無効になります。
ワンストップ特例を申請した寄附分も含めて、すべてのふるさと納税を確定申告に記載してください。
まとめ|2026年10月以降は「急ぐ」より条件確認が重要
2026年10月1日から、ふるさと納税の自治体指定に関するルールが一部変わりました。ただし、2026年分の寄附が9月末で終わったわけではありません。年内に寄附する場合は、まず自分の控除上限額と現在の返礼品条件を確かめ、原則12月31日までに決済・入金を完了する必要があります。制度改正の話と、寄附する人の手続きを分けて解説します。
主な変更は、
- 寄附金活用可能額を52.5%以上確保する
- 募集経費を実質47.5%以下にする
- 地場産品として認めるための基準を厳格化する
ことです。
今後は段階的に自治体が地域へ活用できる割合を引き上げ、2029年10月以降は本則60%以上となります。
制度変更への対応によって、一部返礼品では寄附額・内容量・掲載状況が見直される場合があります。
ただし、ふるさと納税そのものが終了したわけでも、一定の上限まで税金の控除を受けられる基本的な仕組みがなくなったわけでもありません。
2026年10月以降にふるさと納税をするなら、
- 自分の控除上限額を確認する
- 現在の返礼品の寄附額・内容量を確認する
- ワンストップ特例または確定申告を忘れない
この3点を押さえておきましょう。
「改悪されたから急いで申し込まないと」と焦るのではなく、自分の上限額と現在の返礼品条件を確認したうえで選ぶことが大切です。
※この記事は2026年10月6日時点の国税庁・財務省・各サービス公式情報などをもとに作成しています。税制・制度・返礼品・サービス内容は変更される場合があります。寄附前には各公式サイトで最新情報をご確認ください。


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