仮想通貨やNFTなどこれから始めようとしている方は増えているのではないでしょうか。取引を始める前にまずはWeb3と関連サービスについて理解を深めましょう。
Web3.0は流行っているがその意味は定まっていない!?
大まかにいうと下記の3つの時代に分けられます。
①Web1.0(1995-2005)はインターネットが世間で知られWindows95が発売されインターネットの普及でホームページや電子メールが普及した。
②Web2.0(2005-2020)はユーザーが情報の受信者側からSNS(mixi,、Twitter)、Amazon商品レビューなど発信者側へ変わった。一方GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の企業が個人情報を大量に集め、影響力の大きさやプライバシーの懸念が大きくなった。
③Web3.0(2020-)はブロックチェーンの技術が世界を変える中央集権から分散管理という変革が起こる期待プライバシー等の問題を大企業が管理するのではなく自分自身で管理するプライバシー問題が解決の期待。
また、Wikipediaでは「パブリック型のブロックチェーンを基盤としたインターネットの概念」も定義されており、イーサム共同創設者のキャビン・ウッドによりつくられた造語ともあります。実際にキャビン・ウッドの説明の講義がYouTubeにもアップされています。動画ではWeb2.0時代に大企業によるパワー集中が現代社会に歪みをもたらすと批判がされています。
Web3の関連サービスはブロックチェーン技術によってできている
まず、ブロックチェーンとは暗号化した情報が連鎖する仕組みで、各ブロックには取引履歴が順番に格納される。1つのブロックを改ざんしたら過去の取引と矛盾がうまれるのです。ブロックには「タイムスタンプ」、「ハッシュ値」、「トランザクション情報」の3つが含まれるます。タイムスタンプは日付と時刻、トランザクションは誰から誰へ受け渡しか、取引情報はこれらの情報のハッシュ値を計算することになります。
仮想通貨で有名なビットコインはブロックチェーンの技術に応用したもの!
ビットコインは、サトシナカモトによってつくられたのは有名な話です。Web3の焦点になる『中央の管理組織を必要としないと利用者の直接やり取り』を論文に記載されています。
ビットコインの誕生後、2015年にイーサリアムは誕生し、イーサリアムによって、Defi、NFTのWeb3サービスが生まれていくことになるのです。
Web3の土台となる2大通貨
①ビットコイン
ブロックチェーンの上価値を担保して送金できる特徴。
②イーサリアム
ブロックチェーン上のアプリケーションのプラットフォームとなることを目指しつくられた。
イーサリアムの特徴
「スマートコントラクト」という、どのような条件を満たせば、誰から誰へ、いくら通貨を送るのか、という方法を自由プログラミングでき、さまざまは分野で自由に取引できる。イーサムリアのデメリットとしては、コンピューター能力と電力を費やすことと、ガス代(手数料)になります。例えば、送金する際にその処理を承認してもらう場合、ガス代を提示します。ガス代が高く提示された取引が早く処理され、少ないと遅くなってしまいます。
イーサムリアの競合
デメリットもあるイーサリアムの代替えとして競合が生まれました。代表的なのがポルカドット(DOT)です。しかし、イーサムリアもこのようなことがあり、性能と手数料の問題の改善でこれまでのPoW(proof of Work)という競争のしくみから、PoS(Proof of Stake)と保有量の大きさが権利を得やすい方式へアップデートを予定しているのです。
Web3はスマートコントラクトを基礎としてつくられており、このアプリケーションをDApps(Decentralized Applications)分散型アプリケーションと呼びます。この技術から分散型のサービスができるようになり、今ではよく耳にする分散型金融(DeFi)、NFTなどのサービスが誕生しています。
Web3時代の先進的仮想通貨
Polkadot(ポルカドット)スイスの『Web3 Foundation』という財団が開発したものであり、この財団はイーサリアムの創設者の一人のキャビン・ウッドが立ち上げたものです。
ポルカドットは異なる仮想通貨同士をつなぐプラットフォームであり、相互運用性(インターオペラビリティ)を高めることできます。今の仮想通貨は短時間で多数の取引を行うには性能上問題があり、これを解決しようとしております。ポルカドットのネットワーク内で様々なブロックチェーンと相互運用することができるのです。
ポルカドットのしくみ
①リレーチェーン
ポルカドットの心臓部であり、パラチェーンという仮想通貨の個別のサービスのブロックチェーンが配置され、パラチェーン同士が心臓部のリレーチェーンを通じて情報交換を行います。セキュリティを確立し全体の意思決定を管理しチェーン間の相互運用性を確立することができます。
②パラチェーン
リレーチェーンにつながるブロックチェーンになります。パラチェーン独自でトークンを持ち、パラチェーンに参加するにオークションに参加が必要になります。ポルカドット自体がDOTという仮想通貨を発行しており、一定期間でDOTトークンを多く保有しているプロジェクトの接続枠を獲得できるしくみです。接続枠はスロット(100個)に限定され有効期間は2年間であり、その後も接続をする場合は再度オークションで枠を獲得が必要が出てくるのです。
③バラスレッド
バラスレッドはパラチェーンより小さいイメージになります。パラチェーンは多くのDOTを集める必要があったが、DOTを預ける必要がなく従量制の課金モデルになります。
④ブリッジ
ビットコインやイーサリアムのような外部ネットワークに接続できるようにする機能
Web3.0での代表的なサービス
①DeFi(Decentralized Finance)分散型金融
仮想通貨自体に埋め込まれたプログラムで完全自動実行される無人の金融サービス。従来の金融機関は勘定系システムを使い処理を行います。もし金融機関が倒産すれば情報システムのデータは無価値になります。仮想通貨はデータ自体に価値があり、取引企業が倒産してもデータが保全できていれば問題がなくなるしくみです。ただし複雑なサービスです。
具体的なサービスとは
【レンディング】従来資金の貸し付けは銀行が行っており、預金者が預けた預金をもとに企業へ貸し付けを行い利益を得ています。現在は預金金利はほぼゼロのため銀行が仲介することのコストは大きいです。代表的なサービスはCompoundです。この貸し借りを銀行仲介業者なしで行えるため、プラットフォームの取り分は発生しますが仲介業者のコストが不要になり、レンディングプラットフォームと呼ばれます。
【DEX(Decentralized Exchange)分散型取引所】仮想通貨同士を考案する取引所の機能。代表的なのはUniswapです。非営利目的の運営で手数料がほとんど発生しない特徴で1,500以上の仮想通貨を取り扱いしています。
規制はあるのか
DeFiは急速に市場を広げているなかで金融庁も利用者保護やマネーロンダリングの方針を進めております。
AMLはマネーロンダリングであり、CFTはテロ資金供与対策になり大きな課題としております。
②NFT
Non-Fungible-Token(非代替性トークン)は取引履歴を保証するデジタル技術になります。「Fungible」は代替え可能という意味であり、例として等価交換できる「お金」と「ペン」などの日常の取引になりNFTは等価交換できないものになります。ブロックチェーン技術により世界に1個のデジタルコンテンツを「誰から誰へ受け渡したか」の取引履歴を記録し改ざんできない状態にします。転売はできるため資産の値上がりを期待して買う人も多いのです。通常の中古の取引は資産価値が上がってても作成者本人に利益は還元ありませんが、NFTアートであれば二次流通取引が進む度に作成者本人に一定のロイヤリティが還元されます。
代表的なサービスとしてOpen Seaがあります。約8000万点のNFTアートが取引できます。
上記のアートの場合、3ETH(イーサ)約58万です。ETHの価格は急激な変動なのであくまでも概算ですが、3ETHであれば即決で買うことができます。右下のOffersは1.6WETHで約日本円で31万なら買ってもいいというオファーがあり売り手がOKなら取引が成立します。取引自体はネットオークションの方式ですがロイヤリティが別途あり、ロイヤリティは作者が自由に決めることができるのです。Open Seaの場合、手数料が2.5%かかるので作者がロイヤリティ5%の設定なら、7.5%が手数料として売り手の収入から差し引かれます。ちなみに最古のNFTアートはCryptoPunksです。
メタバース
メタバースは、インターネットを通じてアクセスできる3次元仮想世界で同時に多人数が参加しコミニケションができる事です。仮想世界でアバターと呼ばれる自身の分身を創り仮想の世界で自由に行動をするイメージで、あつまれどうぶつのもりやマインクラフト、フォートナイトです。ゲームだけではなくTwitterもその一つになり、日常のサービスだとポケモンGOや医療現場のMRも含まれます。
主なサービスとは
THE Sandboxというイーサリアムのグロックチェーンを基盤にしたNFTゲームがあり、水、土、溶岩、ガラス、人間など独自の世界を構築しするゲームです。この世界をつくため無料ツールも公開されています、SANDという仮想通貨でアバターを購入することも可能です。また、GameFI(Game Finance)ゲームのなかで仮想通貨を稼ぐことができるサービスもあります。AXIE Infinityというベトナムのスタートアップ企業が開発しキャラクターを育成し戦に勝つと報酬がもらえます。ただし登場するキャラクターはNFTで作られており、ゲームを始めるには専用のウォレットをインストールし、MetamaskというウォレットにETHを送り、このゲーム専用のウォレットに送るしくみです。キャラクターを3体購入する必要あり、かなりの初期投資がかかります。
Web3.0のまとめ
①大企業がデータを集中管理する必要がなく利用者が自身がデータを所有できる
②匿名性が担保できセキュリティやプライバシーが確保される
③分散型の技術により単一障害点がなく信頼性の高いサービスが受けれる
Web3の時代には生活の基本となる労働の「稼ぐ手段」が変わります。今までのお金の稼ぎ方から新しい稼ぎ方が生まれます。ただし、新しい稼ぎ方には上記で解説したように、仮想通貨であれNFTであれ初期費用がかかってくるため貧富の差がでてくるのは事実です。賢く生きていくには私たちは情報にアンテナを張ってスピードをもって拾っていかなければなりません。
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