ローズマリーを育てたいけど、何から始めればいいかわからない方へ。苗の選び方・水やり・剪定・冬越しまで全手順を丁寧に解説。収穫後のチンキ作りや料理への活用法もまとめて紹介します。
ローズマリーってどんな植物?

ローズマリーは、地中海のあたたかい地域が原産の、常緑性(一年中緑の葉をつける)の低木ハーブです。シソの仲間で、和名は「マンネンロウ(万年朗)」。その名のとおり、丈夫で長持ちします。
葉は細長くて濃い緑色。かわいらしい青や薄紫の小さな花も咲きます。なんといっても特徴的なのが、あの爽やかですっきりとした香り。この香りが、料理にも、美容にも、気分転換にも大活躍するんです。
ローズマリーは初心者でも育てやすい?
苗を買ってくるのがいちばん簡単!
ローズマリーはタネから育てることもできますが、発芽がむずかしいので、園芸店やホームセンターで苗を買ってきて植えるのがおすすめです。
🌿 良い苗の選び方
苗を選ぶときは、次のポイントをチェックしましょう。元気な苗を選ぶことが、その後の育てやすさに大きく影響します。
✅ こんな苗を選ぼう!
- 葉の色が濃い緑色でツヤがある
- 葉がびっしりとついていて、茎がしっかりしている(ぐらぐらしない)
- 株全体がこんもりとボリュームがある
- 香りが強い(葉を少し触れてみて、ローズマリーらしい爽やかな香りがするか確認!)
- ポットの底から底穴から少し根が見える程度なら、元気な苗の目安になります。(根詰まりしすぎはNG)
- 病害虫の跡がない(葉に白い粉や斑点がないか確認)
❌ こんな苗は避けよう!
- 葉が黄色くなっている、または落ちかけている
- 茎が細くて頼りなく、ひょろひょろと間延びしている(日照不足のサイン)
- 土がカラカラに乾ききっている(管理が不十分な可能性)
- 根がポットからはみ出しすぎて土が見えないほど根詰まりしている
- 葉の裏に虫や白い粉(うどんこ病)がついている
💡 ポイント: ローズマリーには「立性(たちせい)」と「匍匐性(ほふくせい)」という2つのタイプがあります。立性はまっすぐ上に伸びるタイプで、鉢植えや地植えに向いています。匍匐性は地面を這うように横に広がるタイプで、グランドカバーや石垣などに使うと見栄えがします。料理やチンキに使うなら、どちらでもOKですが、初心者には扱いやすい立性タイプがおすすめです。
📅 植えるのにいい時期
ローズマリーを植えるのにぴったりの季節は、春(3〜5月)か秋(9〜10月)です。気温が15〜25℃くらいの穏やかな時期が根張りに最適です。
| 時期 | おすすめ度 | ポイント |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | ⭐⭐⭐ 最適 | 気温が上がり始め、根が張りやすい。梅雨前に根が安定する |
| 夏(6〜8月) | ⭐ 注意 | 高温多湿で根腐れリスクあり。どうしても植える場合は真夏を避け、夕方に植える |
| 秋(9〜10月) | ⭐⭐⭐ 最適 | 涼しくなり根張りに最適。冬までに根が定着する |
| 冬(11〜2月) | ⭐⭐ 控えめに | 寒冷地は避ける。関東以南なら可能だが成長は遅い |
夏の植え付けは根腐れや枯れのリスクが高いため、初心者は特に春か秋を選ぶのが安心です。
🪴 植える場所と土
ローズマリーは日当たりのいい場所が大好きです。できるだけ1日6時間以上、太陽の光が当たる場所を選んであげましょう。
土の選び方と作り方
ローズマリーは、水はけがよくアルカリ性に近い土を好みます。日本の土は酸性に傾きやすいので、そのまま使うと育ちが悪くなることがあります。
| 栽培方法 | おすすめの土の配合 |
|---|---|
| プランター・鉢 | ハーブ用培養土(市販品)そのままでOK |
| プランター(こだわる場合) | 培養土7:川砂2:パーライト1 の割合でブレンド |
| 地植え | 掘り起こした土に苦土石灰(くどせっかい)製品ごとの表示量に従って混ぜ、植え付け前に十分なじませましょう。 |
💡 苦土石灰(くどせっかい)とは? 土を中性〜アルカリ性に整えるための資材で、ホームセンターで購入できます。地植えの前に土に混ぜておくだけで、ローズマリーが育ちやすい環境になります。
プランターに植える場合は、底に鉢底石をしっかり敷いて、水はけの層を作りましょう。鉢のサイズは、苗のポットよりひとまわり大きいものを選ぶとベストです。
プランターの色に注意

実は根腐れの原因にもなるのが鉢の色です。ご存知の通り黒色は熱を吸収します。特に夏場では鉢の中が50℃を超えることもあり、出来れば白色や素焼きのテラコッタを選ぶと良いでしょう。
土の再利用
例えば以前ミニトマトなどプランター栽培しており土が残っている場合には、土の処分も大変ですので再利用しましょう。苗が残っているのであれば、苗を抜きシャベルもしくはハサミで土に残った根っこを細かく切りましょう。余裕があればふるいで異物を取り除くとなお丁寧です。根っこを細かくした後は、1ヶ月から2ヶ月ほど土をおいて、その後古い土を再生させる土や腐葉土などを混ぜて再利用しましょう。
植え方のステップ
- ステップ①プランターや鉢の底に鉢底石を敷く
- ステップ②土を入れ、真ん中に穴を掘る
- ステップ③苗をポットからそっと取り出し、根っこをあまり崩さないように穴に入れる
- ステップ④苗のまわりに土を優しく押し込む
- ステップ⑤たっぷりと水をあげる
地植えの場合は、苗の間隔を50cm以上あけると、大きく育ったときに風通しがよくなります。
ローズマリーの育て方
水やり
ローズマリーは乾燥に強く、水のやりすぎが一番のNGです。土の表面がしっかり乾いてから、たっぷり水をあげましょう。土がいつもジメジメしていると根腐れを起こしてしまいます。
プランターは特に蒸れやすいので、梅雨の時期は雨の当たらない場所に移動させてあげると安心です。
肥料と追肥のコツ
ローズマリーは肥料が少なくても育つ丈夫な植物ですが、上手に追肥することでより元気に育ちます。
基本の追肥スケジュール
| 時期 | 肥料の種類 | 量・やり方 |
|---|---|---|
| 春(3〜4月) | 緩効性化成肥料(マグァンプKなど) | 規定量の半分〜2/3程度を土の上に置く |
| 秋(9〜10月) | 緩効性化成肥料 | 同上。冬前の体力づくりに |
| 成長期(月1回) | 液体肥料(ハイポネックスなど) | 規定量に薄めて水やり代わりに与える |
追肥の注意点
- 肥料のあげすぎはNG! 窒素分が多すぎると葉が大きくなりすぎ、あの爽やかな香りが弱くなります。
- 夏と冬は休肥期。成長が緩やかなこの時期に肥料を与えると根を傷める原因に。
- 地植えの場合は、培養土にあらかじめ元肥が入っていることが多いので、植え付け後1〜2か月は追肥不要です。
剪定(せんてい)
そのままにしておくと木のように大きくなっていくので、年に1〜2回、収穫も兼ねて枝を切ってあげましょう。特に春の開花後(5月頃)に枝の先を少しずつ切ると、こんもりとした形に育ちます。
ポイントは「古くて太い枝は切りすぎない」こと。緑の葉のついている部分から切るようにしましょう。
病害虫
ローズマリーは、その強い香りのおかげでほとんどの虫が寄りつきません。ただし、風通しの悪い場所では「ハダニ」や「うどんこ病(葉が白くなる病気)」が出ることがあります。こまめに葉を観察して、風通しのいい場所で育てることが予防になります。
冬越し
ローズマリーは比較的寒さに強い植物ですが、日本の寒い地域(東北・北海道など)では、冬は室内に取り込んだほうが安全です。 関東以南では屋外越冬しやすいですが、品種や霜の当たり方によっては軒下などの防寒対策があると安心です。

ローズマリーが枯れる原因
丈夫なローズマリーでも、よくある落とし穴があります。初心者がつまずきやすいポイントを事前に知って失敗を減らしましょう!
❶ 水のやりすぎ(根腐れ)→ 一番多い失敗!
ローズマリーが枯れる原因の第1位が水のやりすぎによる根腐れです。「かわいそう」と毎日水をあげたくなる気持ちはわかりますが、それが逆効果になります。
見分け方: 葉が黄色くなってふにゃふにゃになってきたら根腐れのサイン。根を確認すると黒く変色しています。
対策:
- 土の表面が乾いて、さらに1〜2日待ってから水やりする
- プランターは受け皿に水をためない
- 梅雨・夏の長雨の時期は雨の当たらない場所へ移動する
❷ 日当たり不足(ひょろひょろに育つ)
ローズマリーは太陽が大好きです。日当たりが足りないと、茎が細く間延びして、香りも弱くなってしまいます。
対策:
- 1日最低でも4〜6時間以上、直射日光が当たる場所に置く
- 室内で育てる場合は、南向きの窓辺が最適
- 日当たりが足りない場合は、植物育成用のLEDライトを補助的に使う方法も
❸ 蒸れ・風通し不足(うどんこ病・ハダニ)
梅雨時期や夏の高温多湿な環境では、「うどんこ病(葉が白い粉をふいたようになる病気)」や「ハダニ(葉の裏に小さな虫がつく)」が発生しやすくなります。
見分け方:
- うどんこ病 → 葉の表面に白い粉がついたような状態になる
- ハダニ → 葉の裏をルーペで見ると小さなクモのような虫がいる。葉がかすれたように白っぽくなる
対策:
- 株の内側の混んでいる枝を切って風通しをよくする(透かし剪定)
- 地植えの場合は株同士の間隔を50cm以上あける
- ハダニは乾燥が大好きなので、乾燥しすぎないように葉の状態を見ながら管理し、発生時は早めに対処しましょう。
- うどんこ病が出たら、患部の葉をすぐに取り除き、市販のハーブ対応の殺菌剤を使う
❹ 剪定をしないと木質化して枯れやすくなる
ローズマリーは、放っておくとどんどん枝が太くなり「木質化(もくしつか)」が進みます。木質化した古い枝は葉がつかなくなり、株全体が弱って枯れやすくなります。
対策:
- 毎年1〜2回(春の花後と秋)に必ず剪定を行う
- 枝の先端の柔らかい部分(緑色の部分)を切るようにする
- 茶色く固くなった古い枝(木質部分)まで深く切り込みすぎると、そこから枯れ込む原因になるので注意
❺ 植え替え(根詰まり)のし忘れ
プランターや鉢で育てている場合、2〜3年経つと根が鉢いっぱいになる「根詰まり」が起こります。根詰まりすると水の吸い込みが悪くなり、成長が止まったり枯れたりします。
見分け方: 水をあげてもすぐに土が乾いてしまう、根が鉢の底の穴からはみ出してくる。
対策:
- 2〜3年に1回、春(3〜4月)にひとまわり大きな鉢へ植え替える
- 植え替え時に、傷んだ根や黒くなった根を取り除いてから新しい土に植え替える
❻ 寒冷地での冬越し失敗
ローズマリーは地中海原産なので、強い霜や凍結には弱い品種もあります。
地域別の冬越し対策:
| 地域 | 冬越しの方法 |
|---|---|
| 関東以南(東京・大阪など) | 基本的に屋外でOK。霜が当たりにくい軒下に移動すると安心 |
| 中部・東北 | プランターは室内や玄関内へ。地植えは根元をバークチップや腐葉土でマルチングする |
| 北海道・高山地帯 | 必ず室内へ取り込む。品種は「マリンブルー」など耐寒性の強いものを選ぶ |
❼ 肥料のあげすぎ
「よく育てよう」と肥料をたくさんあげると、葉だけが大きくなりすぎてあの爽やかな香りが薄れてしまいます。また、肥料焼け(根が肥料の濃度に負けて傷む)の原因にもなります。
対策: 「規定量の半分〜2/3」を目安に少なめに与えましょう。ローズマリーはあえて「やや肥料不足くらい」のほうが、香り豊かに育ちます。
収穫のタイミングと方法
いつ収穫できるの?
苗を植えてから約3〜6か月経ち、株がしっかり大きくなったら収穫できます。収穫は春と秋がベストシーズンですが、必要なときに少しずつ摘んでも大丈夫です。
収穫の仕方
先端から10〜15cmくらいの枝をハサミで切り取ります。株全体の3分の1以上は切らないようにしましょう。切りすぎると植物が弱ってしまいます。
収穫した枝は、そのまま料理に使ったり、束ねて逆さに干したりして乾燥させると長く保存できます。
収穫したローズマリーの活用方法
①料理に使う
ローズマリーの香りは、お肉や魚の臭みを消し、風味を豊かにしてくれます。
- チキンのロースト:生のローズマリーの枝ごと鶏肉と一緒にオーブンへ
- じゃがいもの付け合わせ:刻んだローズマリーをオリーブオイルと混ぜてじゃがいもに絡める
- ハーブティー:生葉または乾燥葉をお湯で蒸らすだけ。爽やかな香りでリフレッシュできます
②ドライハーブにして保存
収穫した枝を束ねて、風通しのいい日陰に吊るして1〜2週間乾燥させましょう。乾燥したものは清潔な瓶に入れて保存すると、1年程度使えます。
③入浴剤として
乾燥ローズマリーをお茶パックや布袋に入れてお風呂に浮かべましょう。ローズマリー特有の成分が血行を促し体の疲れをやわらげます。
④ルームフレグランス・虫除けに
ローズマリーに含まれる「カンファー」という成分には防虫効果があります。収穫した枝を束ねてクローゼットや玄関に飾るだけで、香りを楽しむ芳香用途のほか、虫が嫌う香りとして活用されることもあります。
チンキとしての活用
チンキとは、ハーブをアルコールに漬けて、有効成分を抽出した液体のことです。ローズマリーチンキは、ローズマリーの成分を凝縮したもので、ヘアケアや化粧水など様々な用途に使われます。
特にローズマリーには「ウルソール酸」「ロスマリン酸」「カルノシン酸」などの有効成分が含まれており、アルコール度数の高い液体に漬けることで効率よく抽出できます。
ローズマリーチンキの作り方
用意するもの
- 乾燥ローズマリー…20〜30g(または生のローズマリーなら30〜50g)
- 無水エタノール(アルコール度数99.5%)…100ml ※ドラッグストアで購入できます
- 広口の密閉できるガラス瓶(煮沸消毒したもの)…1本
※アルコール度数40度以上のウォッカやホワイトリカーでも作れますが、ローズマリーの成分を抽出するには、無水エタノールのような高濃度アルコールがよく使われます。
作り方の手順
①瓶を煮沸消毒する 清潔なガラス瓶を鍋のお湯で5分以上煮沸し、逆さにして完全に乾かします。
②ローズマリーを詰める 乾燥ローズマリーを瓶に入れます。生のローズマリーを使う場合は、よく洗ってしっかり水分を拭き取ってから入れましょう(水分が残るとカビの原因に)。
③無水エタノールを注ぐ ローズマリーがすべてひたひたになるまで無水エタノールを注ぎます。葉がお酒から出ていると、そこにカビが生えやすくなります。
④毎日振りながら2週間待つ ふたをしっかり閉め、冷暗所に保管します。1日1回、瓶を逆さにして振りましょう。だんだん液体がきれいな緑色になっていきます。
⑤こして完成! 2週間後、ガーゼやコーヒーフィルターを使って葉をこし、別の瓶に移し替えます。作った日付のラベルを貼っておきましょう。
保存期間:密閉して湿気を避ければ、半年〜1年程度を目安に使えます。
ローズマリーチンキの使い方

①ヘアケアトニック(頭皮ケア)として
ローズマリーチンキを水で10倍程度に薄めて、スプレーボトルに入れます(ローズマリーチンキ:精製水=1:10)。洗髪後、タオルドライした頭皮にまんべんなくスプレーして、やさしくマッサージします。フレッシュな状態で使えきれるように100mlのスプレーボトルがおすすめです。ローズマリーチンキ10ml、精製水90ml。精製水はドラッグストア等で購入できます。スプレーボトルは100円ショップでアルコールタイプのものを利用してます。
必ず使用前にパッチテスト(腕の内側に少量塗って30分〜1時間様子を見る)を行いましょう。かゆみや赤みが出たらすぐに洗い流して使用を中止してください。
②化粧水として
ローズマリーチンキ3ml + グリセリン6ml + 精製水30mlを混ぜるだけで、シンプルなローズマリー化粧水のできあがり。
③うがい薬として
コップ1杯の水にローズマリーチンキを1〜3滴垂らしてうがいに使います。ハーブの香りでリフレッシュができます。
④ルームスプレー・虫除けスプレーとして
ローズマリーチンキ10ml + 精製水20〜90mlを混ぜてスプレーボトルに入れるだけ。消臭・リフレッシュ・防虫に使えます。
初心者でも手に入りやすい園芸資材店
ローズマリーは頭皮ケアに有効?

ローズマリーは頭皮ケア用途としても実は人気
ローズマリーは、爽やかな香りを楽しめるハーブとして知られていますが、近年では頭皮ケアやヘアケアアイテムにも使われることがあります。
海外の研究では、ローズマリーオイルを使用した頭皮ケアに関する報告もあります。ただし、これらは限定的な研究段階であり、すべての人に同じ結果が得られるわけではありません。
そのため、本記事では「医療目的」ではなく、日常のセルフケアやリフレッシュ用途として紹介しています。
肌が弱い方は、必ずパッチテストを行い、異常を感じた場合は使用を中止してください。
⚠️ ご注意: ローズマリーの育毛効果は研究段階のものが多く、すべての人に効果があることを保証するものではありません。薄毛が気になる方は、皮膚科や専門の医療機関への相談もあわせてご検討ください。
まとめ:ローズマリーは「育てて、使えて、健康にいい」最強ハーブ!
ローズマリーは、一度根づいてしまえばほったらかしでもどんどん育ってくれる、とても丈夫なハーブです。料理に使って、お風呂に入れて、チンキを作って髪のケアに。一株植えるだけで、暮らしがぐっと豊かになります。
初めてガーデニングをする方にも、健康に気をつかい始めた方にも、ローズマリーはぴったりのスタートです。ぜひ今年、あなたの庭やベランダにローズマリーを迎えてみてください!
この記事ではローズマリーの育て方から活用方法まで生活の知恵として記事を作成しました。体調や肌の状態に不安がある方は、専門家にご相談ください。

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